クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違い~まだ知らない妊婦さんへ

妊娠18週目までの方はまだ間に合います

皆さんはクアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)という検査をご存知でしょうか?どちらも、妊婦さんのために行う検査なのですが、なかなか聞きなれない言葉だと思います。そこで今回はこのクアトロ検査と、NIPTについて、知らない妊婦さんにもできるだけわかりやすく、違いも含め解説していきます。

クアトロ検査

クアトロ検査とは

クアトロ検査とは、妊婦さんの血液中にある構成物を計測して、確率を検査するスクリーニング検査(可能性の高い人を選別して確率を出す方法)です。妊婦さんが、年齢がを重ねれば重ねるほど、遺伝子疾患を持つ赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。しかし、クアトロ検査では、妊婦さんの年齢を基本値にした数値に、赤ちゃんが対象の疾病であったときの数値を加算して計算します。つまりクアトロ検査は、年齢だけに頼らず、妊婦さんそれぞれの数値を算出することができるという点で検査結果を信用することができます。この数値と目安となる数値を比較して、妊婦さんが目安の値より低い場合は「陰性」、高い場合は「陽性」となります。

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クアトロ検査でわかる病気の種類

赤ちゃんがダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、解放性神経菅奇形、である可能性を計算することができます。

クアトロ検査の精度

クアトロ検査は上記で解説いた通りスクリーニング検査です。ある調査機関の調査では、ダウン症候群の的中率は87%でした。同様に開放性神経管奇形の的中率は83%、エドワーズ症候群の的中率は77%、と確定診断の役割がある検査ではありませんが、高い数値を示しており、信憑性が高いといえます。

検査を受診できる期間

検査を受診できる期間として、お勧めしている期間は、妊娠15週から17週ごろまです。妊娠15週から21週ごろまでだとしても、受診することはできますが、検査の数値を見てから羊水検査を受けるか決定するため、17週ごろまでに受けることが望ましいといわれています。なお妊娠15週に満たない場合は受診することができませんので気をつけてください。

検査の方法

検査方法は妊婦さんから血液を採取し、血中の成分(AFP、HCG、uE3、Inhibin A)を計測して検査します。これらの構成物は妊娠中の赤ちゃん、または胎盤作られる成分です。これらの構成物の数値は、赤ちゃんの成長が進むにつれて変動しますが、赤ちゃんが検査の対象疾病であることによっても変動します。この構成物の値に、妊婦さんのステータスなどを加算して、赤ちゃんがそれぞれの疾病であるかどうかについて確率を計算します。検査は妊婦さんの年齢に独自の確率を照らし合わせて、それぞれの確率を計算しているため、年齢を重ねている妊婦さんほど、検査の診断結果の確率が上昇する傾向にあります。

クアトロ検査の結果から判明する内容

それぞれの疾病ついて、目安となる数値が決められており、赤ちゃんが対象の疾病になっている可能性が確率でわかります。例をあげると、疾病の確率が100分の1だとすると、同じ100の1の確率の妊婦さんが100人いる中で、その中の1人が対象の疾病である赤ちゃんを妊娠している可能性が高い解釈します。つまり、陰性の場合は「赤ちゃんが対象の疾病である可能性は低いが、対象疾病の赤ちゃんが絶対に生まれないと断定することはできない」と解釈し、陽性の場合は「赤ちゃんが対象の疾病である可能性は高いが、対象疾病の赤ちゃんが絶対に生まれると断定することはできない」と解釈します。

クアトロ検査後の診断についてケースごとに解説

クワトロ検査で報告された結果の確認後、赤ちゃんが対象の疾患があるかどうか、より的確な結果を出すためにする診断について以下に解説していきます。 

⑴18トリソミーまたは、21トリソミーのケース

これらの疾病であるかどうかを確定するためには、羊水検査を受けなくてはなりません。羊水の中には赤ちゃんの細胞が含まれており、この細胞を採取して染色体の異変があるかどうかを調べます。染色体異常には、染色体の数が減ったり増えたりする数の変化と、染色体の形が変化する構造の変化があります。羊水検査は、妊婦さんの腹部に細い針をさして羊水を採取して検査するので、リスクがまったくないわけではありません。最悪の場合、検査後に赤ちゃんが流産する可能性が、僅かにあると言われています。

⑵開放性神経管奇形のケース

羊水中の値を調べ、どの疾病であるか確定する検査、または超音波検査などの画像診断があります。羊水の採取方法は前記と同じです。

それぞれの症状について

18トリソミー(エドワード症候群)とは

18トリソミーとは、本来2本ずつある染色体が、18番目の染色体の異常により3本になる疾患です。多様な身体的異常と、重度の知的発達の障害であることが確認されています。最近では、ちゃんと治療をすることにより、10歳ごろまで生きる赤ちゃんもいるようでが、明確な治療法はまだ見つかっておりません。

開放性神経管奇形とは

開放性神経管奇形とは、妊娠初期に構成される赤ちゃんの神経管が正しく形成されないために、赤ちゃんの脊髄や脳に異常が起きてしまう症状です。主な症状として、無脳症(頭蓋骨が正しく構成されないために、脳が発育しないケース)や、二分脊椎(脊椎が正しく発育しないケース)があげられます。開放性二分脊椎の場合は、赤ちゃんの脊椎からアルファフェトプロテインが流れ出すため、羊水中のアルファフェトプロテインを計測することで、出産前に検査することが可能です。また出産後は、新生児のうちにオペが必要となります。閉鎖性二分脊椎は無自覚なことが多く、大人になってから他の検診で撮影したレントゲン写真に、思いがけず写り込むということも珍しくありません。

21トリソミー(ダウン症候群)とは

21トリソミーとは、基本的には21番目の染色体が3本あることにより発生する疾患です。主に運動能力の発達や、知的発達の成長に遅れが確認されます。また、他の病気になりやすく、内臓や心臓の疾病と合わせて発症する確率が上昇することが知られています。これらの疾病は治すことができますので出産後、疾病を早期に発見し、的確なメディカルケアを行うことが大切です。また、早期から独自に配慮された療育により、成人してからも社会的に営むことが可能になりつつあります。

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NIPT(新型出生前診断)

ここまでクアトロ検査について詳しく解説してきましたが、ここからはNIPT(新型出生前診断)について、クアトロ検査との違いも考慮して、解説していきます。  

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPT(non-invasive prenatal genetic testing)とは、2011年10月にアメリカで開始され、日本にも2013年には「新型出生前診断」の名称として周知されていきました。それ以前の検査とは違い、妊婦さんの血液を採血し、血液中にある赤ちゃんのDNA断片を解析して、染色体の病気や異変を調べることができるスクリーニング検査です。妊娠10週の早い時期から検査が可能で、これまでに行われてきた出生前診断のように流産や感染症のリスクが少なく、検査結果の信頼性・信憑性が他の検査に比べて高いのが特徴です。妊婦さんへの体の負担も最小限ですので、すべての妊婦さんが安心して検査を受けられます。ただし、クアトロ検査同様、確定検査ではないので検査結果で陽性がでた場合は、主に羊水検査など検査結果を確定させる確定的診断検査を受ける必要があります。

NIPTを受診する際の注意点

専門的知識のない妊婦さんにとって、NIPTなどの遺伝子検査の結果を解釈することは難しいかもしれません。このため、特に陽性が出た場合は、遺伝カウンセラーなどの専門家と面談して、詳しい状態を確認し、NIPTの検査結果の内容を正確に理解できるようにしておきましょう。NIPTの検査結果は、クアトロ検査の検査結果と同様に、妊婦さんが染色体疾病であるかどうかについて、確定的な答えが出ないということも覚えておくことが大切です。NIPTは、検査結果から妊婦さんが「陰性」か「陽性」かが、わかるスクリーニング検査です。絶対的な「疾病なし」または「疾病あり」の答えがわかる検査については、確定検査となりますので注意してください。NIPTの検査を実施している検査機関は多数あり、各検査機関で検査結果を報告する内容が多少違う場合があります。たとえばネガティブ(リスクの減少・陰性)またはポジティブ(リスクの増加・陽性)など、ほとんどの検査機構では、スクリーニング検査をする疾病ごとに、それぞれの結果が妊婦さんに通知されます。

NIPTの検査結果についての注意点

NIPTの検査結果については、次の点に気をつけてください。

  • 検査結果が妊婦さんにとって何を意味するかを、ちゃんと理解しておくことが重要です。
  • 13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)、およびその他の染色体の疾病に対して、染色体の疾患が見つかる確率は、それぞれの妊婦さん、または年齢によって大きく違ってきます。 
  • NIPTを行う場合は、赤ちゃんが女の子であるか、男の子であるか、わかることがあります。その場合、検査で赤ちゃんの性別を誤って予測する可能性はわずかです。
  • NIPTを行う場合、すべての染色体の疾病や、先天性欠損症が検査でわかる訳ではありません。
  • すべての検査機構が、同様の条件下でスクリーニング検査するわけではありません。
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クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の比較

上記で解説した通り、妊婦さんの血液を採血し、その血液中の構成物を詳しく分析することで、赤ちゃんになんらかの染色体異常の可能性がないか調べるという検査方法はクアトロ検査、NIPTともに同じですが、違う点もいくつかあるので、その相違点について以下に解説していきます。

それぞれの検査でわかることの違いとは

検査項目

クアトロ検査では開放性神経管奇形、18トリソミー、21トリソミー、という3種目の先天性疾病や、染色体異常の確率を検査することができます。

一方NIPT(新型出生前診断)では主に13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワード症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)の検査することができます。なお、ヒロクリニックでは、これら13番染色体、18番染色体、21番染色体の他、性染色体を含む全染色体の検査に加え、微小欠失症候群や微小重複症候群なども検査できます。

検査結果

検査結果では、クアトロ検査の検査結果を例にあげると1/100という数値で結果を報告されるのに対し、NIPTの場合は陰性、陽性で結果が報告されるのが代表的な違いです。なおクアトロ検査、NIPTのどちらも診断結果は確定ではありません。そのため検査においてなんらかの先天性疾病の疑惑や、染色体異常のリスクがあるという検査結果が報告された場合は、確定診断を受ける必要があります。

検査条件の違い

主に日本医師会の認可施設など、施設によってはNIPT検査を受けるにあたり、年齢などの厳格な条件を設けている病院がある場合もあります。どの病院も共通して「妊娠してから10から18週の期間」という条件を提示しておりますが、その他については病院によって多種多様ですので、検査を受けたい病院に確認が必要です。

一方、クアトロ検査は、妊娠15から21週の期間内であれば、どの妊婦さんも特別な条件なしに検査を受けることができます。

クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)どちらの検査を希望する妊婦さんが多いのか?

結論からいうと、前者のクアトロ検査ではなく、後者のNIPT(新型出生前診断)を希望する妊婦さんが増えているのが現状です。理由としてNIPTは、クアトロ検査と比較して検査結果の精度が非常に高いという性質があります。しかし、NIPTの検査では結果が陽性と報告が通知された場合、確率はきわめて低いですが、偽陽性のリスクがあります。そのため陽性と検査結果の報告が来た場合、妊婦さんは確定検査を受け、検査の結果を確定させる必要があります。ですが陰性の診断結果だった場合は、その陰性的中率は99.9%と、スクリーニング検査としてはきわめて確率が高く、検査結果に信頼が持てるので、可能性は少ないながらも、流産の危険性がある確定診断を避けることができるメリットがあります。このようにNIPTは、クアトロ検査と比較して、きわめて高い検査結果を実証しています。NIPTの検査を望む妊婦さんが増えているのは、これが理由です。

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ヒロクリニックのNIPT

上記で解説したようにNIPTは、クアトロ検査と比較して検査結果が非常に信頼できるため、検査を望む妊婦さんが増えてきました。ですが、NIPT検査を受けるためには、いくつかの厳格な条件を設けている病院もあり、NIPT検査を受診したくても受診することができない妊婦さんがいることが問題となっています。ヒロクリニックで実施しているNIPT検査では、年齢制限はなく、紹介状も不要です。さらに、微小重複症候群や微小欠失症候群といった他の施設にはない独自の検査も実施しています。また双子の場合でも検査可能です。もし気になる妊婦さんがいらっしゃいましたらぜひ、お問い合わせください。

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