出生前診断はいつからいつまで?種類や時期、診断方法について【医師監修】

出生前診断はいつからいつまで?

高齢出産が増えている日本で、今、注目を集めているのが「出生前診断」です。しかし、「どんな検査でいつからできるのかわからない」というのが本音でしょう。今日はその疑問を解消するための知識をお届けします。

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出生前診断とは

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを調べる検査のことです。

この出生前診断には、「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類があります。

血液検査

出生前診断の種類と受けられる時期(妊娠週数)

非確定的検査

「非確定的検査」とは、お母さんやお腹の中の赤ちゃんに、苦痛や危険といったリスクが少ない検査方法です。

しかし、陽性であった場合には確定的検査を受けて診断を確定させなければなりません。非確定的検査には、次の4つの検査方法があります。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査は、お腹の中の赤ちゃんに超音波エコーを使って先天性異常がないかを調べる検査です。

通常の妊婦検診のように、母体の腹部にエコーをあてることで、胎児の身体の画像を描出します。

そのため、流産のリスクはありません。そして、この超音波検査には2種類あります。

妊婦健診での超音波検査(通常超音波検査)

通常の妊婦健診で行われる検査方法です。

胎児の成長や発育状況を確認するために行われ、胎児の首の後ろの厚さや胎児の発育状況等から、胎児の疾患の可能性を発見します。

費用は2000円ほどで、妊娠初期(5〜6週)から受けることができます。

この検査は妊婦検診とセットで行われるため、産婦人科によって費用が異なることがあります。

妊婦健診胎児ドック(胎児スクリーニング超音波検査)

胎児の内臓(心臓など)の形態や機能の変化を調べる精密な超音波検査のことを指します。

精密な超音波検査機器のため、この検査を受けることができる医療機関は限られています。

しかし、この検査では胎児の染色体の変化等については「可能性」しか分からないため、診断の確定には確定的検査を行うことが必要です。

検査費用は1〜2万円ほどで、妊娠初期(妊娠10〜13週)、妊娠中期(妊娠18週〜20週)、妊娠後期(妊娠28週〜30週)の期間で受けることができます。

母体血清マーカー検査(クアトロ検査)

母体血清マーカー検査(クアトロ検査)は、母体から採血した血液の成分を調べる検査のことです。

胎児の染色体の変化や開放性神経管欠損症の確率を算出します。

開放性神経管欠損症には、二分脊椎(脊柱の一部が正常に形成されない病気)や無脳症(脳が発達しない病気)があります。

この検査は、採血のみで母体への負担が少ない反面、お母さんの年齢や体重、妊娠週数、家族歴などが確率に影響されることや、正確なことは確定的検査をするまでは分からないといったデメリットがあります。

検査費用は、2〜5万円ほどで、妊娠15〜17週の期間で受けることができます。

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コンバインド検査

コンバインド検査は、組み合わせ検査と呼ばれ、精密超音波検査(エコー)と、母体から採血した血液成分を調べる血清マーカー検査の2つを組み合わせた検査を行います。

超音波検査単体、母体血清マーカー検査単体よりも精度が高いとされていますが、結果は確率で表示され、あくまで非確定的検査なので、確実な診断は確定的検査を受ける必要があります。

検査費用は3〜5万円ほどで、11〜13週の期間で受けることができます。

NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)は、「non-invasive prenatal genetic test(非侵襲性出生前遺伝学的検査)」の略で、日本では2013年から始まった検査です。スクリーニング検査の1つで、母体から採血された血液の中に含まれる胎児由来のDNAの量を推定して赤ちゃんの染色体異常を調べます。NIPT(新型出生前診断)でわかる代表的な疾患に、胎児のダウン症候群(21トリソミー)エドワーズ症候群(18トリソミー)パトウ症候群(13トリソミー)などの染色体異常があります。

母体から採取した血液によって調べることができる非確定的検査で、精度が非常に高いのが特徴です。検査費用は20万円前後で、妊娠週数は10週以降で受けることができます。

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確定的検査

「確定的検査」とは、非確定的検査で陽性の場合に、さらに精度の高い検査を受けて診断を確定するものです。

ただし、確定的検査は、非確定的検査に比べて検査の際に痛みがあったり、流産・死産などの危険性があったりとリスクが伴います。また、確定的検査は何週でも行えるわけではなく、検査に適した週数があるため注意が必要です。

確定的検査には、次の2つの検査方法があります。

絨毛検査

妊娠11〜14週ごろに母体のお腹に直接針を刺して絨毛細胞を採取し、胎児のDNAや染色体の変化を調べる検査です。

母体への負担はもちろん、合併症として流産や出血、破水、腹痛、胎児の受傷などがあり、流産の確率は約1%(100人の妊婦に1人)といったリスクがあります。

検査費用は10〜20万円ほどで、妊娠11〜14週の期間で受けることができます。

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絨毛検査とは出生前診断の一つです。胎盤の一部である絨毛組織から細胞を採取して赤ちゃんの染色体異常症や、先天的な病気を妊娠中に調べることができ...

羊水検査

妊娠15〜16週以降に母体のお腹に直接針を刺して、羊水から胎児の細胞を採取し、胎児のDNAや染色体の変化を調べる検査です。

絨毛検査と同様に母体への負担はもちろん、合併症として流産などが挙げられます。

しかし、流産の確率は絨毛検査よりも低く、約0.3%(1/300)程度とされています。絨毛検査に比べて、手技が比較的容易であることや検査可能時期が遅いことなどの理由から、確定的検査は羊水検査を選択する人が多いと言われています。

検査費用は10〜20万円ほどで、妊娠15〜18週ごろの期間で受けることができます。

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先天性疾患が起きる原因

先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんの割合は、出生数全体の3〜5%ほどと言われます。

ここで疑問なのは、そもそも知的障害などの「先天性疾患」は、なぜ起こってしまうのでしょうか?

ほとんどの先天性疾患の原因は不明ですが、感染性要因、遺伝的要因、そしてある種の環境要因が、先天異常発生のリスクを高くすると言われます。

遺伝、染色体が要因

染色体と遺伝子に異常が生じることが原因です。

このような異常は両親から遺伝しますが、親自身にその異常の影響が出ている場合と、親はその異常が出ていなくても、ある病気の原因となる異常遺伝子をもっている場合があります。

しかし、多くの先天異常は赤ちゃんの染色体異常や遺伝子変異によって引き起こされます。

遺伝的要因によって生じる先天異常は、多くの場合、体の1か所だけの明らかな奇形にとどまらず、ほかの部分にも影響を及ぼします。

環境因子や有害物質(催奇形物質)が要因

催奇形物質(さいきけいぶっしつ)とは、先天異常を引き起こす、あるいはその可能性を高める物質のことを言います。

催奇形因子には放射線(X線を含む)や特定の薬剤、毒性物質(アルコールを含む)、タバコなどがあります。

母体年齢

母親の年齢が上がれば上がるほど、染色体異常などの先天異常の発生率は高くなります。つまり、高齢出産になると、胎児が先天性疾患を発症するリスクが高くなるということです。

日本産婦人科医会は、母体年齢と先天異常児出生との関係を集計しています。結果は以下の通りで、40歳を超えると先天異常児が生まれる確率が高くなることがわかります。

母体年齢(歳)~1920~2425~2930~3435~3940~
先天異常児の出生率(%)2.802.422.262.342.543.27
参考:日本産婦人科医会 – 先天異常モニタリング調査 外表奇形等統計調査報告書

さらに母体年齢と染色体異常検出率についてみていくと、性染色体とよばれる男性・女性の性別に関連した遺伝子の異常はあまり増加しません。

しかし、常染色体とよばれる誰でも持っている染色体の異常は40歳前後から急増します。

染色体異常のうち、NIPT(新型出生前診断)で調べられる21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)の3つの染色体異常と母体年齢について詳しくみていきます。

母体年齢(出産時)ダウン症候群18トリソミー13トリソミー
201/14411/100001/14300
251/13831/83001/12500
301/9591/72001/11100
351/3381/36001/5300
361/2591/27001/4000
371/2011/20001/3100
381/1621/15001/2400
391/1131/10001/1800
401/841/7401/1400
411/691/5301/1200
421/521/4001/970
431/371/3101/840
引用元:公益社団法人 日本産科婦人科学会 – 専攻医教育プログラム2 出生前診断

出産時の母体年齢が30歳台を超えると、急激に染色体異常の発生率が上がります。ダウン症では43歳での出産は20歳の出産と比べてダウン症候群の出生確率が約38倍にもなります。18トリソミーは約32倍、13トリソミーは17倍高いことがこのデータからわかります。

先天性疾患の要因

ヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)

ヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)はいつからいつまで?

ヒロクリニックNIPTでは、胎児の心拍が確認後であれば誰でも検査を受けていただくことができます。赤ちゃんの状態を知りたいという妊婦さんの要望にお答えして、母体の年齢制限は設けておりません。

もしも、NIPT(新型出生前診断)の結果が陽性の場合に、確定診断として羊水検査を希望される方は妊娠14週までに受けられることをおすすめします。

ヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)でわかること

ヒロクリニックNIPTNIPT(新型出生前診断)では、以下の染色体異常がわかります。

NIPT(新型出生前診断)21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)などの染色体の数が変化する病気を高精度に調べられる特徴があります。
NIPT(新型出生前診断)は、結果が陽性の場合に赤ちゃんが本当に染色体異常である確率(陽性的中率)が高い検査です。一例ですが21トリソミー(ダウン症候群)の陽性的中率は95.5%で、NIPT(新型出生前診断)が陽性でも約4%は染色体異常のない赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。

NIPT(新型出生前診断)で陽性の場合には、確定診断のために羊水検査を推奨しています。

ヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)の検査費用

NIPT(新型出生前診断)の検査費用は、医療機関によって異なり相場は15〜20万円程度です。

ヒロクリニックNIPTでは、多様なプランをご用意しママ・パパのニーズや染色体異常のリスクに合わせて検査を選ぶことができます。

ダウン症候群だけを知りたい方には、「N-Guard Monoプラン」を税込み53,680円でご用意しています。当プランでは、21番染色体の数の異常を検査します。

しかし、日本産科婦人科学会では21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)を同時に検査することを推奨しています。

ヒロクリニックNIPTでは「N-Guard Triプラン」として税込み98,780円で21,18,13トリソミー・モノソミーを調べられるプランもご用意しています。

そのほかにも、以下のようなさまざまなプランをご用意しています。

  • N-Guard Quadプラン
    N-Guard Triプランに性染色体(数の異常)の検査を追加したプランです。費用は131,780円(税込)です。
  • N-Scan 46プラン
    35歳以上の妊婦さんに起こりやすい1〜22番の全てのトリソミー・モノソミーを検査できるプランです。費用は164,780円(税込)です。
  • N-Scan DDプラン
    1~22番染色体と性染色体、12種類の遺伝子疾患の異常を検査できるプランです。費用は186,780円(税込)です。
  • N-Scan ADDプラン
    1〜22番染色体+性染色体のトリソミー・モノソミーの検査に、1〜22番染色体上の全領域部分欠失・重複疾患の異常を検査できるプランです。費用は230,780円(税込)です。

どのようなプランを選べばいいかわからない方は、ぜひ一度ヒロクリニックNIPTにご相談ください。

まとめ

ご紹介した出生前診断は妊婦健診のように、必ず受けるべきものといった決まりはありません。

しかし、晩婚化が進んでいる背景もあって高齢妊娠・高齢出産が増えており、出生前診断の需要が高まりつつあります。

赤ちゃんに染色体異常のリスクがないか少しでも早く知っておきたい、異常があれば事前に備えておきたい方へ、NIPT(新型出生前診断)はおすすめの検査です。検査やご予約についてなど、お気軽にヒロクリニックNIPTへご相談ください。

【参考文献】

高齢出産が増えている日本で、今、注目を集めているのが「出生前診断」です。しかし、「どんな検査でいつからできるのかわからない」というのが本音でしょう。今日はその疑問を解消するための知識をお届けします。

羊水検査について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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