妊娠15週目にできること

胎児の性別は10週目でわかる

妊娠15週目は、母子ともに安定する妊娠中期への移り変わりの時期です。このコラムでは妊娠15週目を迎えたママの体や、赤ちゃんの状態がどうなっているのかをお伝えします。そしてこれからの妊娠期間を安心して過ごすために、この時期だからこそ気をつけなければいけないことや検討すべきことについてご紹介します。

1.妊娠15週の赤ちゃん

1-1赤ちゃんの状態

15週目になると胎盤がほぼ完成します。赤ちゃんは胎盤につながった臍帯(さいたい)を通して酸素や栄養分をママから受け取ることができるので、この時期からぐんぐん成長していきます。
この頃の赤ちゃんの身長は6~16cmで、体重は100g前後です。だいたい大きさ・重さともにレモン一個分と同じくらいです。体の様々な器官が形成され、耳や目といった顔のパーツも適切な位置に配置され、その機能を持ちはじめます。目はまだ閉じた状態ですが、光の感知ができるくらいには発達しています。

耳はもう周囲の音が聞こえるようになっているので、きっと周囲の呼び掛けや、ママの心音なども聞こえているでしょう。筋肉も発達し、お腹の中で手足を動かすといった運動をし始めます。ただ、まだ体が小さいので、胎動としては感じられないかもしれません。

1-2性別

妊娠15週目では、赤ちゃんの外性器が完成に近づいています。ですからエコー検診で性別を判定できることがあります。ただし、まだ赤ちゃんが小さいのではっきりとエコーには映りにくく、赤ちゃんの向きによってはまったく映らないこともあるので、もう少し赤ちゃんが成長する妊娠20週以降のほうが確認しやすいでしょう。

もっと早く性別を知りたいという場合、妊娠初期でも性別を判定する方法があります。

新型出生前診断NIPT(ニプト)は、赤ちゃんの染色体に異常が無いかを生まれる前に診断する新しい方法ですが、赤ちゃんの染色体(DNA)を分析するので性別の判定もできます。性別に関わるDNAの遺伝情報を調べれば、男女の判別が可能というわけです。

DNAの分析と聞くととても大掛かりな検査を想像しがちですが、妊婦さんが行うことは採血を受けるだけです。NIPTに関しては後でもう少しく説明します。

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2.妊娠15週のママ

2-1母体の状態

妊娠15週目以降は、赤ちゃんの成長がどんどん進むにつれて、ママの体にもさまざまな変化が出てきます。この頃からお腹が大きくなりはじめるので、周りの人で妊娠に気づく人もいるでしょう。悪阻(つわり)もこの頃には治まりはじめ、だんだん食欲がわいてきます。

赤ちゃんの成長に必要な栄養分や酸素などを届けるために血液の循環量が増加します。これは、エストロゲンやプロゲステロンという、いわゆる女性ホルモンの作用が関係しています。これらのホルモンは妊娠中に多く分泌されるので、妊娠前にくらべてホルモンバランスは大きく変化します。

そのため、妊娠前に比べて体がむくみやすかったり、髪や爪の伸びが早くなったりといったことが起こります。また、歯茎の腫れや、鼻血が出やすくなるということもあります。

2-2起こりやすいトラブル、気をつけたいこと

赤ちゃんの胎盤はほぼ完成しているので、流産のリスクは低いと言われています。これからいわゆる安定期に入っていきますが、この時期だからこそ気を付けなければならないこともたくさんあります。

鉄欠乏性貧血

血液の循環量は増えていますが、赤血球が増えているわけではないので、見かけ上、血が薄い状態で貧血になりやすい傾向があります。貧血を予防するために鉄分を積極的に摂取するよう食生活の改善をしましょう。鉄分は吸収しにくい栄養素なので鉄分を多く含む食品だけでなく、その吸収を助ける食品もあわせて食べるようにしましょう。

妊娠糖尿病

つわりが治まり食欲がわいてくるので食べ過ぎには注意しましょう。平時とはホルモンのバランスが変化しているので血糖値のコントロールがうまくいかないことがあります。確かに妊娠時は赤ちゃんの分もしっかりと栄養をとる必要があります。

だからといってたくさんの量を食べなければいけないわけではありません。この時期に厚生労働省が推奨している1日のカロリー摂取量は+250kcalとされています。これはお茶碗一杯分のご飯に相当します。一度の食事でカバーしようとすると血糖値が急激に上昇してしまうので、バランスを考えて何回かの食事で摂取するようにしましょう。

適度な運動

適度な運動は、肥満や腰痛を防止するだけでなく、気分転換にもなります。水泳、ウォーキング、ジョギングなどは危険も少なく有酸素運動なので、はじめてみるのもよいかもしれません。ただし、運動を始める時期やその内容については、お医者さんに相談してからにしましょう。

妊娠性歯肉炎

ホルモンバランスの影響で歯茎の腫れや出血が起こりやすくなります。いつも以上にオーラルケアをしっかり行う必要があります。妊娠時の歯周病は、早産や未熟児のリスクが上昇することが指摘されています。歯ブラシを柔らかいものに変えたり、デンタルリンスを併用したりするなど、口の中を清潔に保つことが大切です。まずは、かかりつけの歯医者さんに相談してみると良いでしょう。

メンタルケアとパートナーのサポート

病気や体調の変化だけでなく、心のケアも大切です。特にパートナーであるパパのサポートは、思っている以上に効果的なものだとされています。2016年にアメリカで行われた研究によると、妊娠期間中にパートナーのサポートをほとんど受けなかったママは、サポートを受けたママに比べて妊娠中に不安に感じることが多いという結果があり、妊娠中期にうつ病になるリスクが上昇することが明らかになっています。

ここで言うサポートとは、けっして大掛かりなものではなく、家事の分担などに始まり、一緒に赤ちゃんの心音を聞いたり、両親学級の予約を入れたり、といった些細なことも含んでいます。

この研究は、ママの負担を軽減するだけでなく、安心感を与えるようなパートナーの行動は、これからの妊娠期間にも良い影響を与えることを示唆しています。逆に言えば、パートナーの無関心はママの心身に大きく影響するとも言えます。パートナーは、一緒に学んだり、考えたりしてママの不安を共有してあげることが大切です。

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3.妊娠15週の検査

3-1妊婦健診

妊婦健診は、母子の健康状態を定期的に調べることで、妊娠期間を安心して過ごすために行われます。厚生労働省が発表している目安として、23週目までは4週間に一度、出産までに14回の検診を受けることが推奨されています。

保険適用外なので基本的に費用は自己負担ですが妊娠届けを提出すれば、母子健康手帳と一緒に妊婦健診を無料または低額で受けられる受診券や補助券が交付されます。助成が適用される項目や内容は自治体によってことなりますが、ぜひ活用しましょう。

妊娠15週までに行われる妊婦健診では次のような検査が行われます。

基本検査

ママの健康状態を調べるために身長、体重の測定や血圧、尿検査等が行われます。また赤ちゃんの発育を調べるための腹囲、子宮底長の測定も行われます。

血液検査

血液型検査やHIV、梅毒、風疹、C型肝炎など、各種ウイルスに対する抗体検査が行われ、ママの体や赤ちゃんに影響する病気が無いかを調べます。

子宮頸がん検診

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が引き金となることが知られており、子宮内の細胞を調べることで感染の有無を調べます。

性器クラミジア検査

クラミジアは感染しても症状がでないことがあり、そのまま放置すると早産や流産の原因になることがあります。また、子宮頸管から分娩時に赤ちゃんが感染することもあり、咽頭炎や肺炎を引き起こすことが知られています。検査は綿棒で子宮頸管の粘膜表皮細胞をとり、病原体であるクラミジアが検出されるかを調べます。

エコー検査

超音波の反射を利用して写真を撮影することで、赤ちゃんの様子を直接確認することができます。超音波のあて方は膣内に機器を挿入して行う場合と、お腹の上から行う方法とがあります。妊娠15週目では、後者の方法で行われます。エコー検査は、超音波を利用するので、放射線を利用するX線検査やCT検査に比べて母子に与える影響の無い、安全な検査です。

これらの検査の他に、保健師による保健指導が行われ、妊娠、出産、育児に関する不安や悩みについて相談することができます。

3-2自費の検査

妊娠15週目になるとさまざまな出生前診断を受けられるようになります。出生前診断は赤ちゃんの染色体に異常がないかを事前に検査する手法です。染色体の異常は、ダウン症を始めとする疾患を引き起こすことが知られており、こうした疾患の有無を事前に知っておくことは、出生後の治療や療育において非常に重要です。ここで取り上げる出生前診断にかかる費用はすべて自己負担です。

NIPT

最近注目されている新しい出生前検査です。正式には無侵襲出生前遺伝学的検査といい、英語の頭文字をとってNIPT(ニプト)と呼ばれています。

本来、赤ちゃんの染色体を調べるには赤ちゃんの細胞を採取する必要がありました。

しかし、近年の研究で、母体の血液中に胎児由来のDNAの断片(染色体のかけら)が含まれていることがわかってきました。この赤ちゃんのDNAの遺伝子情報を最新の遺伝学的手法で解析することによって、染色体に異常が無いかを診断できるというものです。

この検査が注目されている点は、ママからの採血だけで検査ができるということと、その検査精度が非常に高いという点です。採血だけで検査ができるということは、ママにも赤ちゃんにもかかる負担が非常に少ないというメリットがあります。

そのため、NIPTは妊娠10週目という妊娠初期の段階から出生前診断を行うことができます。NIPTは赤ちゃんの染色体由来のDNAを調べる手法なので疾患の有無以外にも、性別に関係する遺伝情報を調べれば、わずか妊娠10週目にして、性別の判定も行うことができます。

ただし、NIPTはあくまでも、染色体異常の“可能性”を調べる検査なので、診断を確定する場合はもうすこし妊娠週数が進んだ後に、別の検査を行う必要があります。

母体血清マーカー検査

ママから採血した血液に含まれる成分を分析することで、ダウン症や特定の染色体異常がある確率を計算する検査です。ママの血液には赤ちゃんや胎盤で独自に作られる成分が含まれており、その量とママの年齢や体重などさまざまな因子から疾患の確率を計算します。

その確率が基準を超えると陽性とされます。この検査もNIPTと同様に、診断を確定する場合は妊娠週数が進んだあとに別の検査を行う必要があります。

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羊水検査

赤ちゃんは羊水の中で発育します。羊水には赤ちゃんの細胞が含まれているのでそこから染色体を採取することができます。この検査を行うためには長い針を子宮に刺して羊水を採取する必要があります。

そのため、赤ちゃんを傷つけてしまうリスクや、少なからず子宮に物理的な刺激が加わることで早産や流産を引き起こす可能性があります。しかし、赤ちゃんの細胞から染色体を抽出して調べることができるので、精度や確度は非常に高いとされています。通常、NIPTや母体血清マーカー検査による結果を確定するために行われます。

3-3.妊娠15週にやっておきたいこと

妊娠15週は出生前診断が受けられる週数です。特にNIPTは母子ともにほとんど負担のかからない安全な検査で、非常に精度の高い検査です。

ただし、NIPTは妊娠15週頃までに受ける必要があるので、検討されている方は早めに予約をしましょう。NIPTのような出生前診断を検討される場合、結果が出たあとにどうするか重要です。もし陰性であれば今後の妊娠期間を安心して過ごすことができると思いますが、万が一陽性だった場合にどうするかをパートナーとよく相談しておきましょう。

赤ちゃんの状態も安定し、妊娠中期に入っていきます。両親学級などに参加してこれからの日々の過ごし方や、赤ちゃんを迎えるための準備をしましょう。両親学級はオンラインのものも充実してきているので、自宅で受講することもできます。ぜひ活用しましょう。

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4.まとめ

赤ちゃんの胎盤が完成し、これから安定期に入っていきます。食生活の改善や体重管理をしっかりと行いトラブルを予防しましょう。また妊娠15週は、NIPTが受けられるギリギリの週でもあります。一般的にNIPTの検査結果が出るには約2週間かかりますが、ヒロクリニックのNIPTは最短4日、最大でも7日と迅速に結果が出るので15週でもまだ間に合います。赤ちゃんを迎えるための準備としてNIPTの検討も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?

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