妊娠したら必要な届け出とは?【NIPT(出生前診断)についても解説】【医師監修】

母子健康手帳

妊娠していることが分かったら自治体や会社などに届け出をし、申請手続きをすることが必要です。

胎児の性別は
9週目でわかります

胎児の性別は
9週目でわかります

この記事のまとめ

妊娠していることが分かったら自治体や会社などに届け出をし、申請手続きをすることが必要です。まず妊娠届は妊娠11週くらいまでに提出した方が良いでしょう。妊娠届出書を市区町村の役所や保健所に提出すると、母子健康手帳や妊婦検診の補助券をもらえます。また出産には多くの費用がかかるので出産育児一時金・出産育児付加金の手続きもすると良いでしょう。

胎児の性別は10週目でわかる

妊娠中にいろいろな届け出・手続きをする際に気を付けること

妊娠が分かったら、いろいろな届け出や手続きをすることが必要ですが、その際には以下のことに気を付けましょう。

  • 飲酒や喫煙をしない
  • 走らない、転ばない
  • 感染症に注意する
  • 車の運転は無理をしない

妊娠したら必要な届け出の種類と手続き方法

妊娠していることが分かったら自治体や会社などに届け出をし、申請手続きをすることが必要です。

妊娠届を提出し母子健康手帳をもらう

病院で診察を受けて、妊娠していることが分かったら母子健康手帳をもらいに行きましょう。

妊娠届はいつまでに提出するの?

妊娠届は妊娠11週くらいまでに提出したほうが良いでしょう。

しかし、妊娠届は必ずしも提出しなければいけないというものではありません。とはいっても、届け出をしなければ、母子健康手帳や妊婦検診の補助券をもらうことができませんし、そのほかの妊婦さんや乳児向けの検査などのサービスも受けられません。

安心して妊娠中を過ごし、出産するためにも11週ごろまでに妊娠届を提出することをおススメします。

妊娠届出書を記入し提出する

病院、もしくは市区町村の役所や保健所で「妊娠届出書」をもらって、氏名や住所などの必要箇所を記入しましょう。

病院では、赤ちゃんの心音が確認できる妊娠11週ごろに発行してもらえることが多いです。

市区町村の役所や保健所で届け出をする場合は、あらかじめ窓口はどこにあるのかを問い合わせ、妊娠が分かった時点で、窓口で直接記入して提出してください。

妊娠届出書

母子健康手帳をもらう

妊娠届出書を市区町村の役所や保健所に提出すると、自治体に妊娠していることが認められるので、母子健康手帳や妊婦検診の補助券をもらえます。

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出産育児一時金・出産育児付加金の手続きをする

出産には多くの費用がかかりますが、手続きをすると費用の一部を負担してもらえる制度があります。きちんと届け出をして、利用できる制度は利用しましょう。

ただし、支給される額は自治体や出産する病院によっても異なります。

出産育児一時金とは?

出産育児一時金とは、出産にかかる費用のうち40万円ほどを負担してもらえる制度です。

子ども1人につき42万円、産科医療補助制度に加入していない病院で出産した場合は40万4千円がもらえます。

出産育児付加金とは?

出産育児付加金とは、出産育児一時金とは別に、数万円の給付してもらえる制度です。ただし、健康保険組合など独自の医療保険制度のため、金額も異なり、付加金が給付されない場合もあります。

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具体的に、どのように気を付けるといいのかについて説明します。

飲酒や喫煙

パートナーや両親などに報告したとき、お祝いムードになってしまってお酒をたらふく飲む…というようなことが無いように気を付けてくださいね。もちろん、普段の飲酒も控えましょう。

また、喫煙はお腹の中の赤ちゃんにとって良くありません。パートナーや両親、家族などに煙草を吸う人がいる場合は、妊娠を機にやめてもらう、もしくは他の場所で喫煙してもらうというようにしましょう。

妊婦さん本人の喫煙もNGです。お腹の赤ちゃんの健やかな成長の妨げになるといけないので、禁煙してくださいね。

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走らない

妊娠の届け出を出す時期は、まだお腹も小さいので「普通に走ったり、早歩きをしたりしても平気!」という方も多いでしょう。

しかし、万が一転んでしまったら大変ですし、妊娠中は貧血になりやすく、身体も疲れやすいです。

届け出を出すために公共交通機関を利用する際は、時間に余裕をもって行動し、走ったり、躓いて転んだりしないように十分気を付けてくださいね。

感染症に注意する

妊婦さんは、免疫が落ちていることが多く、感染症をおこしやすいというリスクもあります。そのため、人混みはなるべく避けることが大切です。

マスクをする、手洗いやうがいを徹底する、公共交通機関を利用する際は通勤・通学ラッシュを外した時間帯に利用するなど、十分に気を付けてください。

車の運転は無理のないようにしましょう

妊娠中は、貧血を起こしやすいですし、疲れやすいことのほかに、ホルモンの関係で眠くなるなどといった体の変化も現れます。そのため、車の運転にも十分気を付けることが必要です。

ご自身で車の運転をする場合は十分に気を付けてくださいね。できれば、パートナーや家族と一緒に行動するようにすると安心です。

妊娠が分かったとき届け出以外にしておくと良いこと

妊娠が分かったら、まずは妊娠の届け出をすることが必要ですが、届け出をする以外にもしておいたほうが良いことがいくつかあるので紹介します。

出産する病院の予約をする

出産する病院の予約をしましょう。

住んでいる住所にある病院で産むのか、もしくは里帰り出産をするのかなど、家族と話し合ってみてください。そして、分娩を引き受けてくれる病院があるかどうかを確認し、予約をしましょう。

近年は、分娩ができる医療機関が少なくなっている傾向にあります。そのため予約が埋まってしまい、出産間近になって病院探しに奮闘しなければならないということも起こり得ます。

そのようなことにならないように、妊娠が分かったら、なるべく早く病院を予約しておくと良いでしょう。

働いている妊婦さんは勤め先への届け出も必要

お仕事をしている妊婦さんは、勤め先への届け出も必要です。

産休や育休の手続き

勤め先に妊娠の報告をし、産休(産前産後休業)や育休(育児休業)の手続きを進めましょう。産休や育休は正社員だけでなく、パートや派遣労働者も取得できます。勤め先に相談してみてください。

社会保険料の免除の手続き

勤め先の給料から天引きされている社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)は、産休・育休中は免除されます。勤め先に確認してみましょう。

産休・育休の手続き

NIPT(新型出生前診断)について考える

NIPT(新型出生前診断)とは、お腹の中の赤ちゃんの状態を知ることができる出生前検査のひとつで、染色体異常を調べる検査のことです。

そして、NIPT(新型出生前診断)は、妊婦さんの血液を採取する方法で行い、以下のようなメリットがあります。

  • 採血するだけで検査ができる
  • 流産のリスクを抑えることができる
  • スクリーニング検査として優れている(検査の精度が良い / 21番染色体の感度96.5%、特異度99.9%)
  • 妊娠早期(妊娠10週0日目から)に検査ができる(ヒロクリニックでは心拍確認できたら検査可能)
  • 年齢制限がない
  • 夫婦同伴でなくても検査を受けられる
  • 希望がある場合は性別も教えてもらえる

このようにNIPT(新型出生前診断)は、羊水検査や絨毛検査などと比較すると流産のリスクを抑えることができる検査で、精度も高いという点が大きなメリットです。

そして、妊娠の初期段階、とても早い時期に赤ちゃんの染色体の異常を発見することができます。

ただ、NIPT(新型出生前診断)を受けることで、染色体の異常がないことが分かり安心して妊娠生活を送ることができるようになるという方もいますが、望まない結果が出てしまうこともあります。

そのため、NIPT(新型出生前診断)を受けるのであれば、万が一、陽性という検査結果が出た場合のことについても、パートナーと十分に話し合っておく必要があるでしょう。

出生前診断というと「命の選択」ということが頭に浮かんでしまう方も多いかもしれません。

しかし、NIPT(新型出生前診断)は、早い時期に赤ちゃんの異常に気付いてあげることができるので、「早い時期から生まれてくる赤ちゃんの準備をすることができるようになる」と考えることもできます。

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まとめ

妊娠が分かったら届け出をする書類の種類や手続き方法、そして、妊娠初期に受けることができるNIPT(新型出生前診断)について解説しました。

妊娠届は、必ず提出しなければならないという義務ではありませんが、届け出をすることで母子健康手帳をもらえますし、さまざまなサービスも受けられます。

NIPT(新型出生前診断)については、まず、検査を受けるかどうかだけでなく、結果が分かってからのことまでパートナーとよく話し合うことが大切です。

もし受ける場合は、妊娠15週ごろまでに受ける必要があるため、妊娠が分かったらなるべく早く予約をしましょう。

妊娠がわかるといろいろな届け出をして手続きをしなけばなりません。

大変そう…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、手続きをすること、将来について考えることでママになるという実感も、ますます湧くと思います。

ぜひ、当記事でご紹介したことも参考にしてみてくださいね。

【参考文献】

妊娠していることが分かったら自治体や会社などに届け出をし、申請手続きをすることが必要です。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


白男川 邦彦先生

白男川 邦彦先生

ヒロクリニック名古屋駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科専門医として40年近くにわたる豊富な経験を持ち、多くの妊婦さんとかかわる。
現在はヒロクリニック名古屋駅前院の院長としてNIPTの検査担当医を行う一方、全国のヒロクリニック各院からのオンラインで妊婦さんの相談にも乗っている。

経歴

1982年 愛知医科大学付属病院
1987年 鹿児島大学附属病院 産婦人科
1993年 白男川クリニック 院長
2011年 かば記念病院
2019年 岡本石井病院
2020年 ヒロクリニック名古屋駅前院 院長

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