新型出生前診断(NIPT)のメリットとデメリット【医師監修】

NIPT(新型出生前診断)は、胎児のようすを探るために採血のみで調べられる検査です。メリットばかりのように思えますが、NIPTを受ける前に知っておかなくてはならないデメリットのほか、NIPTをどのように考え、理解していけば良いかを見てみましょう。

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気になるNIPTの費用について

NIPTが、妊婦さんをはじめご家族にとってどんなメリットやデメリットをもたらすのか、NIPTを受ける際のリスク、NIPTを受ける前に知っておくべきこと、理解しておくべきことをご紹介します。

【検査別】出生前診断にかかる費用は?
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NIPT(新型出生前診断)のメリット

NIPT検査を検討している方は、妊婦さん自身の年齢が高かったり、染色体疾患を持った赤ちゃんを妊娠の経験があったり、染色体疾患のある兄弟や姉妹がいたり、とそれぞれの理由があると思います。

NIPTを受けるメリットについて詳しく見てみましょう。

【メリット:その1】胎児(お腹の赤ちゃん)の検査ができること

第一のメリットは、お腹にいながらにして赤ちゃんに染色体疾患があるかどうかが判明するということです。産まれてくる前にわかるということがNIPTを受ける最大のメリットです。

NIPTを受けてわかる染色体疾患にはいくつかの種類がありますが、そのどれもが母体の年齢が上がるとともに発生率も上がることがわかっています。特に、出産年齢が35歳を超えるとその確率は急激に上がるため、主に出産時の年齢に不安を感じるという方、これまでに流産を経験した方などがNIPTを希望しています。

主な染色体疾患の赤ちゃんが生まれる割合を見てみましょう。

疾患割合
ダウン症(21トリソミー)700人~1,000人に1人
エドワーズ症候群(18トリソミー)3,500人~8,500人に1人
パトウ症候群(13トリソミー)5,000人~12,000人に1人

上記の通り、ダウン症がもっとも発生しやすく、逆にパトウ症候群は確率が低いのですが、いずれの染色体疾患も、母体の出産年齢が35歳を超えると急激に発生確率が高くなることには変わりありません。

【メリット:その2】赤ちゃんを受け入れる準備が早くできる

新型出生前診断(NIPT)は妊娠10週から受けることができます。こうした妊娠初期のうちに赤ちゃんの状態を把握することで、赤ちゃんを迎える準備ができるというメリットがあります。

もちろん、NIPTで「陰性」という診断がでれば、その後も安心して妊娠生活を送れるかもしれません。

ただ、NIPTを受けた結果お腹の赤ちゃんに何らかの染色体疾患がわかった時、家族は、この結果を受け止めてどのように行動するかを決めなくてはなりません。

たとえば、わかった疾患がどのようなものかを調べて知る時間が持てますし、自宅の近くに治療を受けられる病院や、相談やフォローしてくれる施設や団体を探すこともできます。
赤ちゃんの状態が早くにわかることで、「まさか我が子が…」とショックを受けてしまう可能性もありますが、その事実を受け入れて前向きな気持ちで迎え入れる準備ができます。

この「心の準備」には、綿密なカウンセリングを受けられる病院が必要不可欠です。

NIPTを受けて赤ちゃんの状態を知ることで、ともに歩む家族が正しい疾患についての知識を身に着け、成長とともに適切な治療やフォローを受けられるよう、先回りして対応することができるのです。
早く心の準備ができれば、葛藤を乗り越えて、世界にひとりしかいない我が子を受け入れるためのさまざまな準備もできるでしょう。

「NIPTを受ける・受けない」という選択を考えるだけでも、奇跡的な確率で我が子がお腹に宿ってくれたことや、妊娠・出産・育児は当たり前のことではないということも実感できるのではないでしょうか。

【メリット:その3】母体・胎児へのリスクが少ない

NIPTの大きなメリットであり特徴は、妊婦さんの体への負担がとても少ないこと。

「採血のみ」で行われる検査のため、お腹の赤ちゃんを直接刺激するようなこともなく、リスクがほとんどないのが大きなメリットです。

妊娠中の染色体疾患の検査には「羊水検査」や「絨毛検査」が挙げられますが、これらの検査方法は妊婦さんの体に対して直接針を刺して行う方法のため、大きな負担がかかってしまいます。
お腹に直接針を刺して検査をするため、お腹にいる赤ちゃんにも大きなリスクを伴います。

さらに、針を刺した際に破水してしまったり、流産・死産につながったりする可能性も少なからずあるため、検査をためらう人も少なくありません。

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絨毛検査とは?

絨毛(じゅうもう)とは、赤ちゃんとお母さんをつなぐ胎盤の一部です。
麻酔をして、お腹の上から直接細長い針(注射)を指して絨毛を取り、それを調べる検査方法です。他にも、膣から子宮頸管を伝って器具を入れて絨毛を取る方法もあります。
この検査は「確定的検査」と呼ばれていて、結果は偽陽性などにはなりません。
流産をする可能性が1%程度あるとされており、他にも出血や破水が起こる可能性もあります。

羊水検査とは?

赤ちゃんを包む羊水を取り、検査をする方法です。
羊水には赤ちゃんの細胞が含まれているため、赤ちゃんの遺伝子・染色体の情報を調べられます。エコー(超音波)をつかいながら赤ちゃんの位置・状態を確認して、お腹の上から細長い針を刺して羊水を取って検査を行います。
羊水を取る際は通常の注射程度の痛みで、特に麻酔をしないというところも少なくありません。
取った羊水に含まれる赤ちゃんの細胞を増やすために培養し、それから含まれる染色体を調べるため、時間のかかる検査です。
しかも、この検査後に流産する可能性は約0.1~0.3%ほどあり、出血や破水が起こる可能性もあります。

羊水検査や絨毛検査などのように、母体直接負担をかけざるを得ない検査を「侵襲的検査」と言い、NIPTのように妊婦さんの体にほとんど負担がなくできる検査を「非侵襲的検査」と言います。

その点、NIPTは、採血のみ。
NIPTは侵襲的検査のような流産のリスクや不安を抱えることがないのです。

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NIPT(新型出生前診断)を受けるデメリット

続いては、NIPTのデメリットを見てみましょう。

NIPTはリスクが低い検査とはいえ、これから産まれてくる赤ちゃんを心待ちにしている両親にとっては不安なこともたくさんあります。
NIPTがどのような検査なのか、費用や検査を受ける側の心構えやNIPTについて正しく理解し、NIPTを受けるメリットの面だけではなく、デメリットもきちんと理解し、検査を受けるかどうかを決めましょう。

【デメリット:その1】不安が解決しないこともある

NIPTを受けて、もし染色体疾患だと判断されたら。

早い段階で赤ちゃんの染色体疾患がわかれば、出産時の病院を調整したり、産後どのように赤ちゃんをフォローしていくかの計画を立てたりできますが、なかなかその事実を受け入れられず、大きなショックを受けて思い悩む時間が多くなることが考えられます。

果たして自分に疾患を持った赤ちゃんを育てられるのか、愛せるのかと強く悩んだり、決断を後悔しないのかと悩んで罪悪感を持ったりするでしょう。

また、NIPTを受けた結果、陰性と言われたらホッとするかもしれませんが、本当は陽性にもかかわらず陰性の結果が出る「偽陰性」の可能性もゼロではありません。

つまり、陰性の結果が出たとしても、その後「偽陰性ではないのか?」という心配が続くこともあります。偽陰性の確率は限りなく低いものの、不安に思う場合もあるでしょう。

そこで必要になるのが、前述の絨毛検査や羊水検査といった「確定検査」です。NIPTで陽性もしくは判定保留とされた場合にはこれらの検査を受けて、確定的な診断をします。

羊水検査や絨毛検査は、確定検査ではあるものの妊婦さんへの負担が大きく、検査が流産・出血などのトラブルにつながる可能性もあります。

NIPTは非確定検査となりますので、こうした確定的診断を下せる検査を受けない限り、赤ちゃんの染色体異常についての診断は、100%確実とは言えません。羊水検査や絨毛検査などの侵襲的検査の流産などのリスク、妊婦さんの体への負担、さまざまなことを考慮して検査を受ける必要があります。

ヒロクリニックでは、陽性が出た場合には有料とはなりますが、希望者にはカウンセリングも行って、妊婦様やご家族の疑問や不安を少しでも軽減できるようアフターフォローも行っています。

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【デメリット:その2】通常は3つの疾患しかわからない

メリットその1の項では、染色体の主な疾患として21トリソミー(ダウン症)と18トリソミー(エドワーズ症候群)、そして13トリソミー(パトウ症候群)の3つをご紹介しました。染色体の数の異常ということでは、主にこの3つの発生率が高いため、特に日本医師会が認可したNIPTコンソーシアムの施設ではこの3つのトリソミーの検査のみが許可されています。

しかし、実際の染色体疾患には他にもさまざまなものがあり、ヒロクリニックでは、上記の21番、18番、13番染色体の3つのトリソミーの検査だけでなく、常染色体と呼ばれる1~22番染色体と性染色体を含むすべての染色体の検査(全染色体検査)も行っています。

また、染色体の数の異常の検査だけでなく、染色体の構造上の異常によっておこる「全染色体領域部分欠失疾患」や「全染色体領域部分重複疾患」といった疾患も検査できます。

ヒロクリニックでわかるその他の染色体疾患
性染色体検査でわかる疾患
  • ターナー症候群
  • クラインフェルター症候群
  • XYY症候群
  • XXX症候群
全染色体領域部分欠失疾患、全染色体領域部分重複疾患の検査でわかる疾患
  • 1p欠失症候群
  • 4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)
  • 5p欠失症候群(猫鳴き症候群)
  • 15q11.2欠失症候群(プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群)
  • 22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)

など

これらのように、染色体が3本あるトリソミーの検査だけではわからない染色体の検査も、ヒロクリニックでは検査可能です。

NIPTコンソーシアムでは、認可された医療機関でNIPTを受けることを勧めていますが、3つのトリソミーだけでなくその他の疾患についても調べたいという場合には、是非ヒロクリニックも検討してみてください。

【デメリット:その3】費用がかかる

NIPTも多くの出生前診断と同様、保険適用外のため、すべて自費となります。

検査機関によって費用にばらつきがありますが、検査の費用は決して安いとは言えません。また、さらに別途カウンセリング料が必須である施設もあります。

検査自体は採血のみで体の負担がなく受けられる一方、費用面については簡単に捻出できる金額ではないという点がデメリットとなります。夫婦や家族、医師で話し合い、果たして本当に必要な検査なのかどうかをよく考えてから受けましょう。

ヒロクリニックでは検査項目を最小限にし、費用を抑えて検査を受けやすいコースも用意されていますので、こうしたクリニックをうまく利用しましょう。

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メリットとデメリットを踏まえて考えておきたいこと

NIPTは、母体や赤ちゃんへのリスクを限りなく低くしながら染色体疾患が調べられる一方、簡単ゆえに結果次第で大きな不安を抱えてしまう可能性があることから、結果をどうやって受け止めれば良いのか、今後どのように赤ちゃんを迎え入れれば良いのか、家族でどのような準備をしなくてはならないのか、などさまざまな課題や不安や心配を和らげてくれるのがカウンセリングです。

そして、NIPTは陽性でも陰性でも、産まれてくる赤ちゃんをどのように迎えるかを考えるきっかけとなる検査と言えます。
NIPTは「命の選別」をするものではないこと、両親の不安をなくすためのものでもないということを事前に理解しておきましょう。

前述のようにヒロクリニックでは、陽性の場合にはカウンセリング(有料)や羊水検査などのアフターフォローも行っています。

NIPTを受ける際には、妊婦さんや両親のみで結果を受け止めるのではなく、これからどうしていけば良いかを相談できる施設であるかどうかも検討事項であるということを念頭に置きましょう。

記事の監修ドクター

白男川 邦彦先生

白男川 邦彦先生

ヒロクリニック名古屋駅前院 院長
日本産婦人科学会専門医

産婦人科専門医として40年近くにわたる豊富な経験を持ち、多くの妊婦さんとかかわる。
現在はヒロクリニック名古屋駅前院の院長としてNIPTの検査担当医を行う一方、全国のヒロクリニック各院からのオンラインで妊婦さんの相談にも乗っている。

経歴

1982年 愛知医科大学付属病院
1987年 鹿児島大学附属病院 産婦人科
1993年 白男川クリニック 院長
2011年 かば記念病院
2019年 岡本石井病院
2020年 ヒロクリニック名古屋駅前院 院長

プロフィールページはこちら

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